「ビザ申請」

外人が異国に滞在するには理由がある。そして理由がいる。
理由は出稼ぎ、とか、勉学とか色々あると思う。
日本でも中国人8000人だかの密入国に関わっていた語学学校だかの人が
逮捕とか、そういうニュースを先日ネットで読んだ。

そういう中国人達と僕らは変わらない外人なんだと思う。
密入国はしていなくても、いるだけで怪しい外人。

僕はワーキングホリデービザという
どうでもイイようなビザでドイツ滞在している。

2000年からドイツでも始まったビザらしい。
僕はこのビザは外人に外貨を持ってこさせて
落としていかせる為のビザだと思っている。
経済的にも大変なドイツらしいから。

ま、そのビザを使えるなら使ってもイイかな、と思って取得した。
僕がドイツに来た理由は、他の知人達ほど真っ当な感じでもナイ。
美術でのチャレンジ、や、恋人と長く一緒にいる為、である。
しかし、美術でのチャレンジを本気でしたいのなら何故語学やってないねん?
って状態なので、しまったー!て感じで、停滞している。
バカです。

ビザの話に戻ると、
外人がドイツに滞在する為に、労働ビザ、就学ビザ、などがいる。
労働ビザをとる為には、まず勤め先がナイとダメだ。
なので、就職先を探す事になる。
就学のほうは学校なのでまだ見つけ易いだろう。

就職はお金を払うわけではなく、
お給料を貰うわけだし、なかなか難しい。
で、就職先を見つけたならば、滞在する理由が出来たことになる。

なので、その土地の役所に行き、外人局にビザの申請となる。
が、労働局からの労働許可証がナイとビザは出ない。
役所から労働局に書類が送られ、労働許可証を出すかどうかの審査になる。

しかし、その前に何かしらの理由をつけて、ビザは出ませんよ、とか
いう役所の人もいる。人による。役所の誰が自分の担当になるか?
で、その担当の人が外人に対して、どんな印象を持っているのか。
「ドイツも就職難なのに、なぜ外人を雇わなきゃいけないんだ?帰れ。」
という人もいたりするわけです。

担当の役所の人間個人に決定判断があるのがおかしな話だ。
個人が自立していると言われるヨーロッパの、
自立ってそういう事じゃないよね?
ま、判断がマチマチなのである。不等にも。

付け加えるとドイツでは州ごとに法律が違ったりするので、
簡単にビザがおりたり、おりなかったりという事もあるようだ。

そして、労働局から労働許可証が出れば、ビザはだいたいおりるようだ。
そうこうしている期間が数カ月とかになる事も普通。
雇い主はしびれを切らさないのだろうか?
でも、役所はそういうもん、なので、諦めるほかないようです。

役所はとても仕事が遅い。そのくせ役所の外国人局は、地域によるが
月曜午前、火曜午前、木曜終日、金曜午前しか開いていないという。
それで、しっかりと給料貰ってるんだから羨ましい限りですなぁ。
しかもドイツは日本と違って有給休暇の制度がしっかりしているんだから。

そういう労働体制だからこそ、たっぷり税金を使って給料を出して、
でも、生産効率は悪くて、っていう状態を作り、
経済が悪化もするというものだろう。

なぜ、こんな事を書いたかと言うと、
僕の相棒が、労働ビザの申請で約2ヶ月ほど
格闘しているのを見ているからです。
(現在は何とか発行されました)

就職先を見つけているにも関わらず、有無も言わせず帰れ、
という前住居の役所から、住所変更(に3週間もかかる!)をして、
新住居の役所での申請。難色を示されたが、
勤め先の事務員さんからの交渉も助けになり、
労働局からは労働先があるから労働許可は出る、
という話になり、外人局も労働許可証が出たらビザを出しましょう。
という所まで来た。

そして外人局の担当者が、労働局に書類を送っておいたから
と言い残し、有給休暇に入ってしまった。
しかし、実際には書類を送らずに有給休暇に入りやがったのであった。
トホホです。

ドイツ人の口のウマサ(ズルサ)というのは、イカサマ、ウソの類いも多い。
子供時代から、しっかりと言葉で説明できるように育てられるらしいのだが、
明らかな言い訳を、正当な理由のように臆面なく言えてしまう人も多いのだ。

結局、労働局は書類が来ていないから何とも言えない。と言い、
当初、労働許可証は出る。と聞いたのに
(勤め先の事務員さんの知合いの労働局員の偉い人からは)
労働局の担当者は書類が届いてから審査します。という。
ビザ取得にどうしても辿り着けない。

なんとも、シャイセ!(クソ!)なのである。

生まれた国では、滞在にビザはいらない。
僕達は日本にはビザなしでいられる。
しかし、外人は異国に滞在するのにビザがいる。
国の隔たりを強く感じる一瞬です。

日本で暮らしている時には感じる事の無かった不自由さ。
自分の滞在の証明を、自分の力で出さないといけない異国。
しかも、そこには運のような曖昧な決断、判断が待ち構えていて、
正当な理由もままならない。
正当な理由って何なんだ?と思ってしまいます。

僕らが日本に何の証明、申請もなく生きれるのは何故でしょう?
日本で働いている限り、日本の生産性に繋がるし、
税金などを納めているので、
それで、日本に滞在する事を許されているという事でしょうか?

ビザが必要な暮らしが普通だと考えてみると、
ビザが不必要な暮らしというのは、どういう事かを考えます。
ビザが不必要な暮らし、というのにも
何か制約や規制が存在するように思うのです。

ま、日本でも住民登録をする、とか、住民票、とかで
管理、監視、されているわけですし、
国民年金などにより、日本に滞在する許可を
貰っているようなところもあるのでしょう。

実は同じなんだろうな、と思ったりもします。
社会で生きる。という事を強く考えざるを得ません。

社会の為に生きるというのは強制ですから、
黙っていても、そうなりますよね。

じゃ、自分というものを大切にする為にはどうするのか?
日本人の謙虚の心って素敵だと思います。

しかし、騙されたくない、損したくない、
幸せを間引かれたくない、そう思います。
自分を大切にしたいなと思います。

他人を犠牲にしてまではイヤですけども。