「蚤の市とゴミ」

今日は日曜日、5月2日だ。
(Sonntag,Twei te,Mai←勉強)
日本ではゴールデンウィークだなぁ。

今日、僕の住んでいる街、Ratingenでは
フローマルクトがあった。ノミの市です。
(Floh Markt/マルクト=マーケット)

ドイツ語でもFlohはノミらしく、
日本と全く同じ言葉作りだ。ドイツ語が元なのかな?
で、なんでノミなんだろう?
相棒はノミがいそうな物を売っているからじゃない?
と言うていたが。

僕が住んでいるのは正確に言うと
Ratingen Mitte。ラティンゲン市の中央。
その中央の色々なお店が立ち並ぶ通り全部に
沢山のガラクタ屋が出ました。
この街に来て初めての市。凄く沢山の店です。

売られているものは、まぁ、日本の市とか
フリーマーケットとほとんど同じです。
衣服、玩具、電化製品、アンティーク物など。

日本で買ったぬいぐるみもコッチの市に
売っていました。あらら世界中で売ってるのかぁー。
日本の関西の高速道路のどっかのサービスエリアで
買ったぬいぐるみなのに。世界って狭いなぁ。

んで、相棒と市を見てまわっていたら、
クラスメイトのトルコ人、オルカイと出会いました。
奥さんは働いているらしく、1人で来ていました。
(その後、仕事後の奥さんと歩いている彼に再会)

オルカイはとっても優しくて人なつっこい人です。
少しおせっかいな所があるのと、プライドが高いのと
もちろん自己主張の強いところがあります。

他の異国人達と違って、彼特有なのが、
授業後に先生が1人で片付けていた机などを
絶対に手伝うというのがあります。優しいのです。
何となく、僕も悪い気がして手伝うようになったのですが
他の人達はだいたい手伝わずに帰って行きます。

お金を払っているのだし、先生が片付けるものだ、
という事なのか(それも正しいし)、それとも
いち早く帰って家族に会いたい、夕飯に急ぐ、とか
なのか、判りませんが、みな帰るのは速い。

で、オルカイは今では僕に指示し、
「トシツゴォ」と言って、片付けを手伝えと言います。
僕も手伝わずに帰る時もありましたが、今では
もう間違いなく片付けを手伝います。ま、一瞬で済むが。

そんな優しいオルカイです。
前に、イギリス人のクリフが休んだ次の授業に来た時
オルカイは、来てスグにクリフに前回の指導をしていました。
もの凄く体を密着させて。寄り添うように。抱き着くように。
しかし、オルカイは英語ができないので、二人の共通言語は
ありません。クリフはほとんど分かっていないのでした。
しかも、オルカイは勉強が苦手のようです。
(僕も人の事、言えませんが)

さて、そんなオルカイと別れ、僕らは細かくお店を見ます。

まず、僕が買ったのは、ギターを抱えたおっさんの人形。
おっさんの腹に磁石が仕込まれていて、金属でできたギターが
お腹に引っ付いてギターを弾いている格好になるのです。
そして、そのギターは栓抜きになっているのでした。

前に、携帯電話の形の栓抜きを買っていたけども、
どうしてもギターの形の栓抜きが欲しくて購入。1ユーロ。
本物のギターを手に入れられない不満も手伝ったのだろう。笑

そして、そんなに沢山の栓抜きは必要ないとしても
栓抜きが必須な生活になった理由は、こちらでは
缶ビールは少なく、ほとんど瓶ビールだからです。
(今、少し禁酒中ですが、毎日必ず飲んでいました)
で、街でビールを買った時の為に栓抜きを持っておこう。
それが買うキッカケでした。しかし街に持って行った事はナイ。

他にはFrank ZappaのLive CDを購入。1ユーロ。
今、それを聴きながら、これを書いている。音が最高に悪い。
かなり海賊版なライブ盤だ。しかし、まぁイイ。凄く面白い。
ザッパは大好きだ。なんでだろう?
MCは気持ちいいなぁ。ザッパの声が好きなんは絶対やな。

そして、他には小さいテープルを買う。1ユーロ。
そしたら、洗い終わったコップを乾かす台と、
スパイス入れ用ケースを店のおばちゃんは一緒にくれた。
邪魔だったんだろうか。ま、イイ。使える。

あと、相棒は、キノコ&ブタグッズなどを買う。
あ、あとグラタン皿など食器も少し買う。

で、それらを一旦、家に持って帰り、休憩したのち
僕は店が片付けられた通りに出かける。
何故かというと、お店の人達がいらない物をガンガン
捨てていきそうな気配だったからなのだ。

通りに出ると、あれ?何もナイ。少し歩くと
前方に清掃車の団体が。あ!ちょっと遅かった!
もう片付けられていたのである。が、まだ片付けの
行き届いていない通りの方に行くと沢山のゴミの山が!

いたる所にゴミ。最初はそれらを物色するのに躊躇した。
街を歩くドイツ人達が一切、それらを物色しないからだ。
恥ずかしいじゃん?貧乏な黄色人種。ただでさえ目立つし。
そしたら、ぐるっっと物色して廻ってるらしい団体や
個人がウロウロと表れた。と同時に僕も物色開始〜。

そんなゴミを拾うドイツ人達とコミュニケーション。
大量のレコードを物色していると「ロックある?」と
声をかけられ「オリンピックのレコード持ってるー!笑」
とか言われたり。(↑拾って持っていた)

すごいバカな柄のジーンズを見つけたら、
サングラスが異様に怪しいおばちゃんに「グート」
「いいんじゃない」とか言われたり。

それにしても、市に出店した人達の
いらんもんは捨てていく、という考えは凄い。
街中グッチャグチャでしたから。汚いったらない。
(そこから拾ってたわけですけどもね、僕ぁ)

全然、ドイツ人にキチンとしたところは見受けられない。
なんかドイツ人ってのは世界でも進んだ民族らしいぞ。
エコ意識とかあるらしい、というの。あれはウソでした。

しかし、それらを当然に清掃、片付けする業者がいる
という、キチンと出来上がったシステムがあるのです。
非常に感心します。
個人ではなく社会のシステムがキチンとしてるのです。

個人は日本と変わらぬエコ意識ですが、
システムが出来ているのだと思います。
日本って個人に意識変革を求めますよね?
そりゃぁ、結果が出るのも遅いはずです。

あ、しかも清掃のおっちゃんも欲しい物があったら
スッとポケットに入れてましたね。ぬかりない。
そのぬかりなさが、質実剛健って事だろうか。

話は変わりますが、
ゴミの分別なども、市民の皆さんはグッチャグチャに
捨てます。分別意識とか持ってる人は少ない気がします。
日本と同じです。

でも、紙やワインの瓶、衣服などは
街に数カ所、大きなリサイクル用ゴミ箱があります。
ココに捨てに来る人は少なくともエコ意識がある人ですね。
で、そういうシステムをキチンと用意してあるのがイイですね。

あと、ビール瓶やペットボトルなんかは瓶を返却すると
お金が戻ってくるシステムなどが出来ています。
これは、凄く偉いと思います。返しに行ったら
やっぱり、またそのスーパーで買い物しちゃいますから
そういう意味でも良く出来ています。
(といいつつドイツ人には瓶を返却しない人も多いが)

そんな受け皿が、用意されている、という部分では
ドイツの方が、日本より素晴らしい。

あと、ドイツの個人が捨てたグチャグチャの家庭ゴミも
ゴミ処理場で、凄く徹底した分別が行われているようです。
(僕達もグチャグチャです。紙などは分別しますが)

個人を圧迫しない社会(ゴミ部門)。っていう意味でも
ドイツの方が勝るのかもしれません。

そして、もちろん、ゴミをリサイクルするっていう意味で
ノミの市も、これまた素晴らしいシステムでもあります。