「エドガーと」

エドガーはドイツを飛び立った。
韓国か、日本で就職する為、現地で就職活動をする為に。
そして、韓国には恋人がいるし、東京にはバンドがある。
なんとも多忙だなぁ。というか、なんともグローバル。
しかもフットワークが軽い。素晴らしい事です。

先日のフライヤーデザインは、ひととおりのデザインを
エドガーがやり、最終の入稿準備はやっぱり僕にオハチが
まわってきた。ま、予想通りだし、ややこしい話を
説明するより、僕がやるほうが断然早いし、楽だった。

デザイン的には、デザインを教える仕事をしていた事もあって
気になる所、満載だったのだが、細かい事は言わないという
ドイツ気分での判断で、デザイン的には一切修正していない。
さて、仕上がりはどうだろうなぁ〜。ドキドキします。
(プリントアウトして確認してないからねぇ〜。1回も)

そろそろ東京でバラまかれるのではないか?と思う。
9月11日クラブQueでのMOMUSというイギリス出身の
ミュージシャンのライブフライヤーだ。
共演にエドガーのバンドMINISKIRTも出ている。
東京の方は、ぜひ手に入れて欲しい。で、観に行ってみてね。
で、チラシを見せて欲しい。ハハ。

で、エドガーとの別れ間際6/5(土)デュッセルドルフでは
「Japan Tag・日本デー」というイベントが行われていたので
エドガーと相棒と僕、3人で一緒に観に行った。
待ち合わせ場所の意思疎通ができておらず
40分くらい待ちぼうけしあい、エドガーも怒っていた。

エドガーは待っている間に、お腹が空いたので、屋台で
焼そば(勿論、日本風)を食べたのだそうだ。しかし、これがマズク
しかも高かったらしい。10ユーロ=約1400円!そりゃ高すぎる!
エドガーは「こういうのを何という?こういう犯罪みたいのを」
と言うので「ぼったくり」と教える。(笑)
ついでに「ひったくり」も教える。(笑)

そして、イベント会場はライン川に面した野外の広場。
ステージでは、日本人おじさま合唱団がドイツ語の歌を歌っている。
エドガーいわく「発音が非常にイイ(微笑)」。そして、ハッピを
とってつけたように着てるのには、やっぱ違和感を感じる僕達3人。
常日頃から、ハッピを着たり、着物を着たりしていればイイのに、
日本を紹介します!って時だけ着るのも変な感じだよな〜。
その中途半端な格好。ドイツ人に、日本人の格好と思われちゃうぞ。
日本に帰ったら僕は本気で着物も着ようと、また強く思うのだった。

んで、日本映画がやってるとの事で観ようと思ったが満席。
んで、「Japan Tag・日本デー」クイズをやり(やる事なくって)
んで、小腹も減ったし、エドガーは口直し、でピザを食う。
エドガーおすすめのお店。僕達も知ってたけど、食べた事はなかった。
元気で愛想のイイ店。まずまず。ハハ。なんで、まずまず、かと言うと
もーっとオイシイ店を僕は知っちゃってるんだなぁ〜。

その後、会場に戻ると津軽三味線ジャズを演奏する
日本人音楽家のライブ。尺八とタブラと三味線(息子)を従えて。
うーむ。うーむ。うん、トラディショナル。伝統的な日本の音楽だね。
ジャズ?うーむ。少し2%くらいはジャズが入ってるかな?
ま、日本の伝統音楽を知らないドイツ人にはジャズとして聴いて
もらってOKなんだろうな。なーんか本気の伝統日本津軽三味線のほうが
カッコイイけどなぁ〜。とか思ってると、エドガーは急に帰った。
しんどかったようだ。僕達も対して面白く思えなかったので、帰る。

その翌々日、6/7(月)
「Japan Tag」の一環の、経済シンポジウムに行ってきた。
デザインという観点から経済について考えるというのが
主旨のようだったので、エドガーが誘ってくれたのだ。
「トシにも勉強になるかもしれない」と言って。感謝っす。
(↑そう!僕は、トシと呼ばれているのです〜!わー!赤面)

大スジのテーマは「Japaneas Cool and German Cool」
講演の大スジは「経済においてのデザインの役割、
コミュニケートする為にデザインがとても大切である」と。
コミュニケーション:エモーション。とも言っていた。

ま、デザインというのはコミュニケーションの為のものだし
特別、新しくもなく、今頃言うか?という感じだったが、
今こそ、デザインに目を向け、本気で取り組もう!という感じ。

ザッっと聞いてて、面白いと思った事を書いてみる。

<日本の新幹線とドイツのICE(超特急)とのデザインを観て>
外観のデザインは非常に似ています。しかし、その前に、
日本の新幹線は時間に正しい。そこはドイツが学ぶべきです。
しかし、日本もやたらと真面目なだけではなく、
遊び、ユトリも大切にしなくてはいけません。
デザインには遊びが必要なのです。その辺はドイツに学んで欲しい。

※何という、話の飛躍か。おいおいっ!って感じ。
ルーズ=遊び、ユトリかよ!(笑)

とか、

TOYOTAは、ドイツ国内でドイツの自動車メーカー全てを
足しても上をいく儲けを出している。しかも、技術もドンドン進み
アルコールを自動検知して走れません、という車などを開発している。
日本のほうが、新しいマーケット開拓が進んでいる。
例えば、SONYのAIBOなどもにおいても、そう。
AIBOも、TOYOTAのアルコール検知車も、人間とコミュニケートする
機器の開発が行われている。それこそが今もっとも新しいマーケットだ。

※後日、TOYOTAが一番なのは日本での売り上げも足して、だと
指摘を受けた。僕は、そう聞こえたから、書いちゃったんだけど、
全く、ウラをとっていないので、間違えも沢山あるのだ。
と、無責任ですが言っておく。僕の発言を信じちゃダメ(笑)。

とか、

<コカコーラ社の欧米と、日本でのCMの打ち出し方の違いを観て>
日本の広告代理店・電通のドイツ支部の人が、話した事。
日本の飲料水マーケットは特殊で、飲料水の種類が千を超える。
その中で、コカコーラは大変苦戦している。なので、日本では
独自のキャンペーンを行った。

そのCMの違いというのが、
欧米のCMはサッカー選手を起用した、サッカーの試合のCM。
日本では、夜中に会社で残業するサラリーマン。が、コカコーラを
飲んで気分一新。窓の外には波が押し寄せ、爽やかな気分。
BGMは桑田ケイスケというもの。

とか、

ドイツの経済の主体となるのが、ビール、戦争、車、で、
それに続いてサッカーなどもあるのだが、思っていた程強くない。
そして、女性に対してのアプローチが弱い。
ドイツの頭が堅いというようなイメージを、誠実などと
ポジティブに言い換えて、そこに柔軟をプラスするPRが必要。

とか、

6月12日、ドイツのFriedrichshafen発で、ヨーロッパ上空を
経由して、最終的に日本の愛知へ向けてツェッペリン号が飛ぶ
というキャンペーンを愛知万博、日本におけるドイツ年という
イベントの為に、行う。

とか、

デュッセルドルフの現在の日本人街に、1963年に、
最初の日本食屋「Tokyo」がオープンした。
そして、今、NRW(デュッセルドルフのある
Nordrein-Westfalen州の事)では、日本とコミュニケーション
できる土地としての環境は育っている。日本以外で、もっとも
日本人の住みやすい州だ。そういう場としても宣伝している。

とか、

今日、SUSHI(寿司)というのは、世界のブランドになっている。
コカコーラや、ベンツや、ヴィトンやら、と同じ。
そのSUSHIというブランド力を用いた戦略を
スシ・コミュニケーションと呼びたい。
そして、そのようなスシ・マーケティングを活用すべきなのだ。

それは、どのような事かと言うと、日本という国の持つイメージ
クラシックな面と、先端技術の面というものを活用するという事。
(ココでイメージを見せる…着物、町家、相撲、寺、庭、京都、
 アニメ、漫画、AIBO、車、ロボット、コンピュータ、東京など)

クラシックな日本のイメージを用いた方が
ヨーロッパ人に対しては、効果的だ。一つの方法として。

日本は伝統的なものを持ちながら、技術力も強く、革新的で
デザインも素晴らしい。クールである。

とか、

ソニーは常に革新的で、富士フィルムは品質で勝負して、
資生堂はアジアの神秘をイメージ戦略に用いる事で、
(例に資生堂のZENを取り上げていた)
この三社はドイツで業績を上げ続けている。

とか、

<フグ料理屋での話を用いたCMを観る>
てっちりを囲んで、3人の白人さんが話している。
「日本では、フグを食べる事で勇気を試されるんだ」
「これを乗り越えないと商談は成立しない。なんとしても
食べるんだ」「年間、フグの毒で死ぬ者も大勢いるらしいが」
と、そこへ、日本人が席につく。で、白人さん達は一斉に
勇気を出して、フグを食べる。そして、日本人が「日本では
フグを食べて死ぬという事はない。でも、もしミスをした
フグ職人がいたら、もう日本では働けない。その人は外国で
しか働けなくなるんだ」と言うと白人さん達が固まるというCM。

※多分、この食べている場所が外国って設定なのかな。
何のCMかは知らないのだが。日本に対するイメージの持ち方に
大いに間違いがある、という事を説明する為にドイツ人の方が
見せたCMだったのだと思う。

とか、

愛知万博の広報の方が、愛知万博について説明された。
愛知万博のテーマは「自然の叡智」。
私達を作り出し、育ててきた自然の叡智を再発見し、
世界中から知恵やアイデアを集め、地球市民みんなが集い、
人と自然との新しい関係を世界へ発信しようというものです。

キャラクターは二種類あって、大きい方がモリゾーと言う名前で
森のおじいさん=知恵袋という役割。小さい方がキッコロと言い
森の子供=好奇心が旺盛という、今回の自然を大切にした万博の
二つの側面を表している。

※その説明を聞きながら、ドイツ人が頭を横に振っていた。
イギリス人のクリフが、僕に対してよくやる
「オ〜、クレイジー」みたいな反応だったように思う。(笑)
なんでも、キャラクターにしてしまうというのは、ある意味
異常に映るとは思う。で、それが幼児趣味とか言われるのかも。

とか、

愛知万博での一つの目玉は、マンモスの展示です。
何故、マンモスか?というと、本当はマンモスは永遠に
氷の下に隠れているべきものだったのだが、地球温暖化で
その存在があらわになってしまった。そういう地球温暖化
というものをマンモスを観る事で感じて貰いたい。
その為に、この夏から本格的にマンモスの発掘を始めます。

※おーい!マンモス掘るんかよ。地球温暖化とか言っちゃってよ。
なーんか、間違ってるよな。偽善丸見え。てか、偽善にもなってない。
にしても、おかし過ぎて、笑けてくる話だ。なーんか主旨間違ってる。

とか、

ヤクルトのドイツ広報の方が、ヤクルトについて説明され、
ヤクルトは日本から来た新しいタイプの乳酸菌飲料であるという事を
誠実に地域に根ざした形で広めていかなくてはいけない。
(というような事を話されたのですが、そんな事より、)

ヤクルトは、1本飲むと1日に必要な乳酸菌が摂取できる。

※と聞いて、へー!知らなかった!と思ったのでした。で、感心した。
しかし、ドイツ人にとって、あの飲料は異常に少ないと感じられる
のでは、ないだろうか?とも同時に思うのであった。
あ、久々にヤクルトも飲んだ(試飲)。おいしかった。
こっちでも普通に買えるのだが、ちょっと高いので贅沢なのだ。

と、こういう話をモロモロ聞き、僕は大変面白かったし、
なーんだ、日本でOPUS(ってデザインスクール)で教えてた事と
同じじゃん。日本で言ってた事をまた聞いたって感じだった。
(伝えるって事、コミュニケーションの大切さ、デザインにおいて)
しかし、そういう刺激に御無沙汰だったので、楽しかった。

で、あと1人の講演を残し、僕と相棒は語学学校の日だったので
エドガーに別れをつげ、会場を後にしたのでした。

なんだか、最後に、ちょっと寂しくなって、ウルッと来ちゃいそうな
エドガーと僕達でありました。なんだかんだ言って、友達になれた
んだよなぁ〜。って感じです。また、会おうねー!エドガー。

そして、その後、語学学校でイヤーな汗を流したのは言うまでもない。