「日本からの刺客.5」

さて、ロングラン中の刺客シリーズも
折り返し地点(笑)。ここからは、
Tさんのみ、そして、我が家を拠点にした
宿泊費のかさまないスケジュールです。

僕がお金がナイだけなんですけどね(笑)。
ごめんね。Tさん。ドイツ生活を体感する
なんてコンセプトで勝手に納得して(笑)。
しかし、まぁ、我が家に閉じこもってる
わけでもなく、結構出かけました。

しかし、まぁ、同時にTさんには
ノンビリと休暇気分も味わって貰えたのでは
ないでしょうか?とまた、勝手に納得(笑)。
では、はりきって、まいりましょう。

6月13日
今日は、日曜日。街は食い物屋以外はお休み。
(美術館とか駅構内の店は開いてるけども)
そして、今日は相棒がお世話になった人が
ケルンにてスタムティッシュを開くという。

スタムティッシュというのは、異文化交流の場
と言いましょうか、日本に興味のあるドイツ人が
来て、交流したり、タンデムパートナーと言われる、
お互いにそれぞれの国の言葉を教えあうというような、
そんな関係を作る絶好の機会であります。もちろん、
日本人同士が異国暮らしの中でホッと一息、
母国語で交流したり、情報交換したりもします。
んで、まぁ、ただの飲み会でもあります。

Tさんも、そんな場に行った事もないわけですし、
僕もよく知りません。是非行ってみたいという事になり
相棒に付いて行く事になりました。

しかし、まぁ、せっかくケルンまで出て行くので
ルードヴィヒ美術館でやっているロバート・クラム展を
観ました。彼は漫画家で、興味深い漫画を書いており
絶対に観たかったのです。大して知らないんだけどね。
ま、知れるイイ機会かなぁ〜、という思いもありまして。
で、面白かったんですが、なんか作品量が少なかった。

そして、同時開催で、ミュンヘンのほうの美術館の
収蔵作品展がしており、本物にお目にかかった事のないような
大御所の近代美術作品が沢山あり(教科書に載ってるような)
さして衝撃な作品でもない(見慣れてるし)のですが
少なからぬ感動を覚えました。高校の頃に大好きだった作品の
本物が目の前にある。うっわ〜本物だよ!Tさんと相棒には、
僕が平常心でいるように見えたかもですが、ハァハァでした。

さて、美術観賞も程々にして、スタムティッシュに向かいます。
僕は人見知りはしないほうですが、何となくスタムティッシュは
苦手に思っていました。なので、行ったら無口にビールを
飲んでいようと思っていました。しかし実際には、初対面の人と
結構話し、住所の交換などをして、充実した時間を過ごした。

エドガーのように日本語のできるドイツ人の男性とも
知合ったし、絵を描いたりの活動をしている日本人女性とも
知合ったし、何かと教えてくれそうな知合いが増える事は
心強いものです。相棒もケルンでケーキ見習いをしている
人とも知合って、なかなか充実の時間であったようです。
Tさんは、どうだったでしょうか。僕は、ほとんど彼女を
ほったらかしにしてしまっていたように思いますが。

そして、結構早い時間から、トットとみんな帰って行き
あれ?わざわざ1時間もかけて来たのに、もうお開き?
という時に、終わったスタムティッシュの現場に、
ドイツ人の女性が息を切らしてやって来ました。

彼女は、ドイツで弓道をやっているくらいの親日家のようで
日本に大変興味を持っているようでした。しかし、日本語は
ほとんど出来ないので、相棒とドイツ語で一杯喋っています。
この日、一番の密度で(何も飲まずに)会話が続きます。

彼女は寿司も蕎麦も食べた事があるらしいですが、
本物を食べているわけではなく、ドイツ式(笑)のやつらしく、
じゃぁ、今度(本職ではナイけども・笑)我が家に日本食を
食べに来るとイイよ、と住所交換をしました。

あ、彼女は先日、ケルンであった日本のバンドROVOの
ライブを観たそうだ。僕も観に行けば良かったなぁ〜。

ほどよい時間になったので、店を出て帰路につきます。
ちょっと、ドキドキしながらキセルをし(笑)ケルン中央駅に
着き、更に電車が到着するまでの間、マクドナルドで一緒に
過ごし、お別れしました。ケルンとラティンゲンは結構
遠いので、もうちょっと近かったら、この日、知合った人達と
もっと交流も、し易いのになぁ、と思いつつ帰宅。

かと思いきや、電車でトンデモナイ場面に出会います。

電車に乗りしばらくすると、よれよれの黒いスーツに
身を固めたチンピラ風の、どこの国の人かわからないけども、
トルコ系?と思わせる、顔が明らかに喧嘩をしたあと、まだ
腫れ上がっている男の人が別の車両からやって来ました。

傷は手当てされているようなので、喧嘩は今日ではなさそうです。
なーんかヤバそうな人。と思ってたら、少ししてから
同じようなスーツを来た男が2人やって来ました。
1人はワインボトルを持って。友達のようです。
何やら何語かで3人で話しております。

そして、なんだか会話が激しくなっていきます。
まわりにいた僕達、白人さん2人、黒人さん1人も、
ケゲンな顔で、彼等を見ます。黒人さんは隣の席で
ジーッっと睨んでおります。うるせ〜なぁ。といった感じ。

さらに、会話は激しくなり、とうとう彼等は立ち上がり、
僕らの乗る車両を、モメながらウロウロし始めました。
3人の内の2人が喧嘩をしているようです。
もう1人は終始、止める役目をしています。

ワインボトルが凶器に変わるんじゃないかと思っていたら、
ちょっと離れた、むこうの方に行ったあと、なんと!
顔の腫れた男はナイフを取り出しました!
もちろん止める役目の人が止めてはいますが、
周りの白人さん達と僕達は一気に真顔になります。が、
黒人さんは、顔色一つ変えず、あきれているようです。

Tさん、相棒は女性です。非常に怯え寄り添っております。
僕は、こりゃ、面白い。でも、ナイフはヤバイな。っと
思っていたら、もう1人もナイフを出しました!

わー、この人ら普通にナイフ所持なんだな。
こりゃ、危ない。トバッ散りを受けるのは真っ平ゴメンな
他の乗客達。真顔を続けます。ナイフは止める役目の人が
取り上げたようです。どなり散らし続けていますが、
少し落着いて、座ってモメています。

すると、なんと、止める役目の人が、もうお前ら勝手にしろ
と、ナタ包丁を顔の腫れていない男に渡したではありませんか。
(僕は渡すのを見てませんでしたが、相棒に聞いたところでは)
ナタ包丁を振り上げている様は、なんだ?こりゃ香港映画か?
みたいであります。なんだ、あの包丁。どこに持ってたんだ?

結局、また止める人が、ナタ包丁も受取り、更に落着き
座って、話し合いが進みます。しかし、興奮は納まりません。
すでに、喧嘩が始まってから何駅か通過しており、タイミングを
見計らって別の車両に乗り換えるのか、降りるのか、という人も
多くいましたが、白人さん2人と、黒人さん1人と、僕らは
おとなしく座っておりました。早く降りてくれ、と思いつつ。

すると、ある駅で止まったらば、黒人さんが、目の前に
ドアがあるにも関わらず、その黒スーツの男達の横をわざわざ
通って、もう1個向こうのドアから降ります。うっわぁ〜。
ちょっと、ドキドキな僕達。なんで、わざわざ。恐いなぁ〜。
ってか、黒人さん、カッコイイ。....なんて思ったりして。

で、デュッセルドルフ中央駅に着きました。
彼等が降りなければ、降りて別の車両に移ろうと相棒が言うので、
降りようとしてたら、彼等降りていきました。ホッ。しかし、
彼等はホームで喧嘩を続け、いつでも電車に乗れる距離に
いるので、僕達も気が気じゃありません。

やっとドアが閉まり電車は出発。顔の腫れていない男が、
どこかへ行ったので事は済んだのだな、と思ったら、
今度は、止める男が、顔腫れ男にブチ切れています。が、
彼は喧嘩を売るのでなく、勝手にしろとばかりに、その場を
去ろうとします。そこで、去らせればいいのに、顔腫れ男は、
止める男に喧嘩をふっかけます。すると、

立ち去ったはずの顔腫れてない男が再びワインボトルを
持って向こうからやって来るではないですか。再加熱です。

しかし僕達は、無事にその場を去り、その後を知りません。
あー、凄い迫力のあるものを見た。ナイフや銃が当然にある
という国に暮らす恐怖を垣間見ました。恐ろしい社会でしょう。
(ドイツも日本と同じく銃所持はないですが)

その後、Tさん、相棒と話していると、血が飛んでくるのを
想像した、とか、肉片が飛んでくるのを想像した、とか、
彼女達、想像力豊かです。しかし、まぁ、現実になっても
おかしくは無かったのでしょうから、恐い話なんですけども。

で、帰宅しまして、寝た。

↓ 一気に行きましょう!

6月14日
昨日、ケルンに行ったわけですが、また、この日も行きます。
この日も相棒の仕事が休みなので、三人揃って買い物に
繰り出したわけです。ケルン中央駅で小腹が減ったので
ポメスフリット(フライドポテト)を買い、食べながら
街に繰り出します。何を見たっけなぁ〜。あ!

そうそう、この日、まずは相棒と僕の用事。
楽器屋さんに行ったのでした。ベースとギターを買いに。
で、重い荷物なので、という事で下調べだけにして、

その次は、通りの店を散策しつつ、レコード屋A-MUSIKへ。
なかなか品揃えも面白く(JAPANコーナーもあり。残念ながら
平井堅もケミストリーも浜崎あゆみもナイですけどもね。笑
あ、でも、桂三枝&文珍の落語の中古CDが前からあるんすが)
レーベルもやっている、日本にいる時から超有名だった
レコード屋です。行くのは2度目。

僕はジミ・テナーと、何や音楽制作ソフト付きの中古CDを買い、
相棒はフェリックス・クビンの新譜CD(A-MUSIKレーベル
からのリリース)を買い、クビン・ポスターも貰い、ホクホク。
Tさんはダット・ポリティックス(!)の新譜をレコードで買い、
(のちに別のCD屋で試聴しましたが、激イイですなぁ)
他にも面白いジャケもののレコードを購入。イイなぁ〜。
僕も買いたい。が、物を極力増やさない&お金がありません。
ギター買わなくちゃいけませんし(笑・いいのか?)。

そして、A-MUSIKで熱中試聴したりもあって
(そもそも出かけるのが遅かった)店が閉まるので
先に、ベース&ギターを購入(!)し、それを担いで、
更に、お店散策をします。Tさんは幾つか土産物を買い、
見切れないので、更に後日来る事にし、飯を喰らいます。

相棒オススメのイタリアン屋。相棒はペンネ、Tさんと僕は
それぞれピザを頼み、おいしく頂きました。
(我が街ラティンゲンのオススメピザ屋の方が旨いけど)
この店の周辺は、ヨーロッパで最もゲイが多いという
ケルンの中で、最もゲイの多い地域でありまして、
男性カップルを多く見かけます。聞く所によると、
ドイツでは同性での結婚が法律で認められているようです。

さて、飯を食ったあとは、来た道を散策しながら戻り
電車に乗って我が家に向かいます。また、今日も喧嘩してたら
どうする?まぁ、幸い、そんな事もなく無事帰宅。

あ、この日、本当は、相棒も僕も学校だったのですが、
サボったのでした〜。しかし、この後、サボると
遅れてしまい、ついて行くのがシンドクなるので、
もう休まない。と誓いを立てるのでありました。
(ですが、その後、またサボるのでありますが)