「親不知と」

親不知の傷みというものも
ドイツに来て初めて知った。

僕はドイツ初が結構ある。
思い出すのが面倒なので、また
思い出したら、書き留めよう。

親不知。結構、冗談じゃ無く
常に痛くなってきたので、こりゃ
ヤバイ、歯医者は嫌いだし、
ココはドイツなので尚更行きたく
なかったのだが(笑)、たぶん
もう、行ったほうがイイと思う。

という事で、相棒に勤め先の人々から
イイ歯医者情報を仕入れてもらう。
イイと言ってる人が1人でもいる
というのは安心だからだ。

んで、歯医者に電話してみる。
予約で一杯。ウアラウプ(有給休暇)で
1人医者が少ないから予約できない。
などなど。なかなか予約が難しい。
あ、これはドイツ語のできない僕なので
相棒が仕事終わりでついて来てくれる
時間の予約をとりたかったからです。

電話帳から自宅近くらしき歯医者に
電話すると、来週の木曜の予約がとれる。
しばらくの間、我慢したのが悪かった。
すぐに予約をしていれば、痛みが増す前
に診て貰えたはずなのに。

ますます歯が痛くなり、慢性的な
ジンジンとした痛み。なーんか頭が重い。
親不知以外の問題が出て来る。

しかし、予約日の前日から当日にかけ
何故だか、親不知がおとなしくなった。
なーんでか、お医者に診てもらうって時に
痛みが納まって、痛くないのに診てもらう
て事になっちゃうのだ。あー気持ち悪い。
痛くないのに診察なんて。

んで、相棒について来てもらいます。
んで、思い出す。デュッセルドルフの
日本人が歯医者に通訳を連れていく話。
しかし、僕も全く同じだ。その気持ち
痛く判りました。前にブツクサ書いて
ごめんなさい。いや、お金があるのが
羨ましかっただけっす。今も羨ましい。

んで、歯医者さん。
なんとも陽気な先生です。クリクリの
金髪にメガネをかけた、漫画(古め)に
出て来るみたいな外人さんです。しかも、
会った瞬間、満面の笑みで「元気!」。
ちょっと知ってる日本語を発します。

「元気?」と質問したかったんでしょうが
「元気!」と勢い良く笑顔だったもんだから
その髪型、風貌と相まって、なんて軽いんだ。
と思ってしまいます。んで、診察です。
歯を一様に診て、親不知のレントゲンを
とると言います。日本の歯医者で経験して
いたレントゲンのやり方とは違いました。

あ、そういえば、日本の医者はドイツ語
でカルテを書くのでした。というか、
そもそも、カルテという単語がドイツ語。
ってことはドイツの医者ってのは、
なかなか先進なのだろうか?信用して
イイんだな。というか、前述の風貌とノリ
でもって、僕はもう全面的に信用済でした。
とっても好感を持ったからです。

レントゲンをとる間、先生と相棒は
何やらお話をしております。
僕は看護婦.....

あ、日本では看護士って
言わなくちゃいけないんですよね!変なの。
こっちではさ、全部の職業に男女の区別が
ガッチリあります。単語の話ね。ですが
女性の社会的自立もガッツリあるように思う。
語学の教科書に離婚した女性とか、平気で
一杯出て来るような国だからね。自立してて
当り前って感じ。ま、日本は社会が男社会で
社会が自立していないッて事だろうけど、
言葉を変えて、どうにかなるのですか?
その発想が判らん。日本のフェミニストよ。

んで、訂正して、改めまして

僕は看護士さんにレントゲンを撮ってもらう。
ドイツ語ができないので何言ってるか判らない。
なんとか、彼女の言う通りの格好になり
レントゲン。顔の周りを機械が一周します。
ほへ〜。なーんか、カッコイイ。
久しぶりの病院だなぁ。ハハ。

病院に来ると、その機械達の風貌がカッコイイ
のであります。前に相棒のケーキ学校の調理場
にあった調理機械達もカッコヨカッタなぁ。

んで、レントゲンが出来上がると、
先生がそれを持って個室に戻ってきまして
見せてくれます。上の親不知2本、今日
抜いてしまいます、との事。今日かよ!早っ!
んで、続いて、レントゲンを見ながら
下の親不知2本も内側向いて生えて来てるから
抜いてしまいましょう。それは、後日。と。

うっわ〜。ドイツで親不知を4本抜くのかよ。
(結局、後日、下の抜歯は見送られました)

で、手術開始。しかし、あれは手術とまでは
言わないな。注射をそれぞれの歯の周りに
数回づつ、その後、何やら道具でグイグイと
グニグニとギシギシとメリメリとやりまして
引っこ抜かれました。麻酔の効果で痛みは
差程なかった。麻酔の注射がちょっと痛い位。
んで、綿を噛まされて、30分程で捨てろ。で、
今日は運動をしてはダメ、食事をしてはダメ。

え〜!僕は、この日朝から何も食べていない。
歯医者に行ったのは夕方4時半なので、
それまでに食っておけよ、という話なのですが
食べていなかった。まいった。

しかも、歯医者の後、相棒とスーパーに買い物。
あぁ、腹が減った。食べれないとなると猛烈に
腹が減ってきた。ポテトチップスが食べたい。
何とも、僕はジャンキーである。健康な食い物
が嫌いな宮City、と相棒に言われる。バレた。

この日、歯医者の言い付けに背いて、
スープは飲んだ。しかし、具は前歯だけでは
噛み難いので、具は少々、丸飲みしたのみ。
奥歯付近を使うのが不安だったのだ。

しかし、就寝後の夜中。僕は空腹で目が覚めた。
1回寝たわけだし、0時もまわっているので、
もう明日になった。そのハズだ。という事で、
昨日買ったアイスを、僕はバクバクと食べた。
まだ奥歯付近を使わずに食べれる物にとどめた。
そして、また寝床に戻った。

あ、書き忘れたけど、歯医者後は、麻酔の影響
だと思うのだけど、だるくてだるくて、んで
痛みの無かったほうの歯もズキンズキンと痛む。
いや、歯茎だな。とにかく緩くジワジワと痛む。
痛みどめの薬を飲み、就寝したのだった。

翌朝、起きた時に布団を見ると、シーツに
血の跡。ヨダレに血が混じったもよう。
僕は今、マクラを使わない時期にいるので
マクラでなく、シーツに直だった。

その日は午前中に1人で術後の診察に行く。
会った瞬間、先生は「さようなら!」と笑顔。
僕は「ナイン、サヨウナラ、ナイン」と言い。
「グーテンターク イスト コンニチハ」と
教えたら、先生は右手握り拳を、左手の平に
打ち付けるしぐさで「オ〜、サヨウナラ イスト
ヴィーダーゼン!」「オ〜」と悔しがっている。
本当にノリのイイ人だ。友達になりたい。

で、さらりと診て
明日、顔が腫れるかもしれない。でも大丈夫。
心配ない。それで、次の予約は相棒と一緒に
来れる時間で予約して下さい。と言われる。

明日、腫れるのか〜!?と驚きつつ、何度か
聞いたが、歯(歯茎か)を診たら、そういう
ことらしい。なーんか、痛みでうなされたり
したらイヤだなぁ〜。と思いつつ翌週に予約。

その日、午後から相棒と同じような修行人、
家具、パン、整形靴の人達がラティンゲンまで
遠出して来てくれた。語学学校のベトナム人の
友人も一緒に4人で。相棒と僕と6人で、相棒の
勤めるケーキ屋にケーキを食べに行く。

相棒は自分の勤める店に食べに行くのを
ずっと嫌がっていたが、とうとうその日が来た。
(買ったり貰ったり、家では勿論食べてたが)
わざわざ来てくれたのに、私は行かない、では
ダメだもんな。でも、最近は勤め先とも非常に
仲良くやってるようなので、もう行ってもイイ
時期だったのかな。実際行ってみると、
お店の人達は凄く優しく親切に迎えてくれた。

ただ、ココの社長と社長婦人が、ちょっと
無愛想な人らしいのだな。見かけるだけの
僕にもそれはよく判る。とくに社長婦人が。
で、この日は2人ともいなかったのだな。

でも、最近はマジパンで作った人参が
えらく賞賛にあたいする出来だったらしく
お店の人に「人参良かったよ」と言われまくり
「ウアラウプに入る前に一杯作ってよ」とまで
社長婦人に言われたらしい。あと、ケーキの
仕上げが良かったりしても誉められるらしい。
仕事を通して、少しづつ信頼関係を築き、
仲間と認められるのだろう。素晴らしい。

ケーキをみんなで食べた後、ラティンゲンを
ちょっと散歩し(とくに何も見せるものがない
んだよねー。好きな街なんだけども)てから
オープンカフェみたく、オープンな席で
デュッセルドルフの地ビール「Alt Bier」を
飲む。アルトビアはかなり色が茶色く濃い。
苦味も味も濃く、初めて飲む人はどうだろう?

今日、来られた4人はケルン在住でケルンで
語学学校に通っている。で、近々、それぞれの
修行の地へと旅立つ。彼女達はアルトビアは
この日が初めてだったらしい。オイシイと
言っていたが、ちょっと馴染まなかったのでは
ないだろうか?何となく見ていてそう思った。

僕は最初アルトビアは正直嫌いだった。
でも、今ではアルトビアが一番好きになった。
濃いアルトビアに慣れると他のビールが
物足りなく感じるようになってしまったのだ。
アルトを日本でも飲めるのか?それが心配。

あ、で、なんでか、歯を抜いてから
猛烈に酔うようになったんだな。急に。
ちょっと飲んだらフラフラになる。
何故だろう?歯を抜いて以来ずっとそうだ。

さて、飲み、喋り、少し食事をしてから
彼女達を駅まで送り、電車を待つ間に
またお喋りしたり、相棒もこの日は饒舌。
ベトナム人の女の子は、もちろん日本語は
できないので、相棒もずっとドイツ語で
話している。一緒に来たみんなもドイツ語
で喋っている。僕は何となくの様子を
観察して話の流れを推測するのみ(笑)。
時々、日本語で僕が喋るんだけども。
相棒がドイツ語に訳してくれたり。

そして、楽しい時間は終わり、帰宅就寝。
親不知の無くなった所はジンジンしていた。
その翌日から痛みもなくなったが、穴が
開いているのが気持ち悪かった。