「ケルンにて」

先日、ケルンへ2回行った。

まず1日目は日本語ペラペラの
ドイツ人、トーマスと会うため。

3人いる日本語ペラペラの
ドイツ人の友人の1人。
その3人はお互いに面識もない。
紹介してあげたら喜ぶだろうか?
ま、彼らが会ったらドイツ語で
会話をすると思うが。

トーマスとは随分会っていなかった。
刺客が来ている時に異文化交流呑み会で
知合った人だ。先日彼からメールがあり
今、ケルンで祭りをやってるから、遊びに
来ませんか?という事だった。

相棒と僕は喜んで向かう。
待ち合わせ場所で会ったら、彼は
「私の家に行きましょう」と言う。
「家でコーヒーでも呑みましょう」と言う。
こんな展開は想像しなかった。気がきく〜。

都会の真ん中に住んでいるのは羨ましい。
彼の家はもう本当にど真ん中。

家に着くと、まずはソフトドリンクを
頂き、その後、アップルパイとあんずパイを
頂く。彼の実家地方のケーキらしい。

たまたま昨日にお姉さんが帰省から戻って
来て、その時に買ってきてくれたのだそうだ。
物凄く田舎に住んでいるらしく、そのせいか
物凄くシンプルな素朴な味だった。
あんずは酸っぱいのが、少し苦手な僕には
バクバクは無理だが、アップルは美味しかった。

しばらく、お喋りをした。
彼の部屋の本棚を見ると日本語漢字検定試験の
問題集がある。2級の資格まで持っているらしい。
その問題集は一級のもので相当に難しい。
僕達も判らない。まず書けないのばっかだ。

そういえば、ドイツ人の家を訪問するのは
これで5度目くらい。非常に少ない。
(最初、コノ雑記には忘れてて4度と書いてた。
 1度目のサブリーナ家を追記しました〜。ヘヘ)

一度目は相棒の前の職場の同僚、サブリーナの家。
クリスマスパーティーに招かれたのだ。パーティー
では鉄板焼でチーズやハムやジャガイモなど食べた。
その鉄板焼の機械は上部で普通に鉄板焼。下部に
1人づつのプレートを(スコップのような)収納
でき、それに各自、具材を入れて上の鉄板の熱で
一緒に焼くというものだった。ドイツでは結構
一般的なモノらしい。で、彼女は寝室に漢字で
自分の名前を書道して、掛け軸にしてたなぁ〜。
んで、相棒のルームメイトの洋子ちゃんは
酒でイイ感じになってソファで寝てたなぁ〜(笑)。

その次は、相棒の前の職場の社長さんがパン&
ケーキの道具コレクターのお宅に連れてくれた。
非常に面白かった。コレクターというのはどこの
国でも同じなのだろう。それ用に一部屋持っていた。

その次は、相棒の学校の先生宅に。関係のない僕は
ただ一緒にお邪魔。(他のも関係ないんだけどね)
先生が、魚料理を食べさせてくれると、前々から
言っていたらしく、魚を一杯食べる。しかし、
魚料理に慣れていない人の魚料理。ちと皆、閉口。
普通に奥さんが作ったトマトスープが
一番好評を得ていた。親切で頑固そうな先生だった。

その次は、相棒の前の職場の事務のおばさんの
家にご招待。もち、僕は勝手に着いてったわけ。
多分、普段から食べているだろうドイツ料理を
御馳走になった。おいしかった。肉の塊。
日本人に合わせてサーモンも用意してくれていて
それは、先の先生宅よりも美味しかった(笑)。

で、今回のトーマス宅。

彼は非常に几帳面そうな人で、色々な資料も
ファイルして保存してあるようだ。その中から
僕が仕事を探すのに役に立つかもしれないと
デュッセルドルフの商工会議所の資料を見せて
くれた。ありがとう。僕よりも几帳面な男よ。

しばらくして、街の中心部にある祭りに行く。
が、それは祭りといっても、食祭りで、ちょっと
した催しもの。入場料が必要なのは初めてだった。
しかし、トーマス奢ってくれる!わお!ダンケ!

さんざん優柔不断に歩きまわり、何を呑むか
何を食べるか、も決められない僕達。トーマスは
ワインもビールも呑むには時間が早いと言い、
お腹も空いていないという。うーむ、どうするべ?
と、言って会場を周回。ぐるぐるぐるぐる。
が、もう、ラチもあかないので、僕と相棒は
ビールを買うとトーマスに告げた。
彼はコーラを飲むと言う。

そして、同時に、突然、私はお腹が空いた。
なので、あの店で買います。と彼は言う。
お腹減ってなかったんじゃないのかよ〜?
って思ってたら、もう店に行っちゃいました。
彼は明らかに、あの店のものを食う事を随分前
から決めていたのでしょう。言ってくれよ。

んで、僕達はとりあえずビールを飲みます。
僕も腹が辛抱溜まらんようになったので
ラム肉を食わせる店に向かいますが、何やら
活気もなく、何故か料理してる気配もありません。
なので、やめまして(なーんかマズそうだもん)
んで、違う店でリゾットを頼む。これが旨い。
んが、濃い。で、相棒はルッコラのサラダを
買い、つまませてもらいながら、食事する。

食事しながら、トーマスとも色々な話をした。
彼は多分知ってる中では一番日本語が出来る。
多分、漢字を書くとかなると一番できるんじゃ
ないかな。彼の口にする言葉は難しい言葉が
多かったから。漢字検定2級だし。

んで、そこで散々喋ったあと、僕達は帰宅。
トーマスもとてもイイ人だった。
本当にイイ人は素敵な人達だ。なのに、何故
僕のドイツ人への印象は良くないのだろう?
うーむ。ま、ドイツ人という大きいくくりで
見るのは間違っているのだろうけども。

んで、その翌日、またケルンに出る。
その日はケルン在住のサッカー監督の勉強を
している日本人の友人に会いに行く。
彼が元NECの日本人デザイナーを
紹介してくれるのだ。

待ち合わせ時間を遅らせてもらった上で
少し早めに着き、楽器屋に行き、興味のあった
エフェクターを試してから、レコード屋
A-MUSIKに行く。しかし、休み。残念。

それから待ち合わせ時間になったので、電話
してみると、NECの人の友人がフィンランド
からケルンに来るのが遅れていて少し
待ち合わせ時間を、遅らせる事になる。

僕はA-MUSIKのウサを晴らすべく
違うレコード屋へ、いや、ココはCD屋、
いや、電器屋。そこで、Frank Zappaの
DVD「Baby Snakes」を買ってしまう。
もう一つのライブDVDと迷ったが、
時間数が長く、Zappaの映画作品という
「Baby Snakes」のほうを購入。
日本でも売ってるかもな。でも、DVDは
日本より安かったりするんだな。

んで、この日、プラプラした後、
サッカーの彼と会い、彼のお家に
お邪魔したのち、NECの人とも会い、
フィンランド帰りの人と会う。

みんな温和でありながら、しっかりと
した何ともタクマシイ人達だった。
僕はケルンにあるデザイン大学について
NECの人から色々聞きたかったのだが
なかなか彼は強運の人で、僕には到底
できない経験をしていた。

ドイツに来て学んだ事は、技術的な事より
もっと精神的なところだと言う。
彼の言葉で今回、胸に強く残ったのは
「政治力」である。その政治力というものを
味方に付けていかないと大きな所へは
出て行けない。というわけね。

確かになぁ〜。僕は、その政治力が嫌いで
昔からドンドンと蹴ッ飛ばして来た。
教授に気に入って貰ったのに、反発して
みたり、そんな事ばっかだった。
しかし、彼はその流れをウマク利用し
自分の道を、充実させるべく頑張っていた。

昔から僕は、若気の至りと言いましょうか、
根本の所で人への感謝とかが、欠けていて、
それに反発が更に加わったりして、
本当に孤立しようとする事があった。
自分で破滅指向なのか?と思う事も多い。

でも、今頃になってだけども、
彼等の話を聞いていて、政治力ってのは
良いとか悪いとかの問題ではなくって
自分をステップアップさせる為に必要で
しかも、その政治力をウマク使うには
様々なテクニックが要るわけで、
そこへの努力をすべきなんだな、と
強く感じた。今から、その事を胸に
とめながら、進まねばいかんなぁ。

その日、会ってから飲み屋に行き
ウマイものを食った。豚のある部分を
骨付きでデッカイまま焼いたのや、
マティスというニシンとか何かの
魚を酢漬けにしたのや、ソーセージ、
ザウアークラウト(酢キャベツ)など
久しぶりにガッツリと外食で旨かった。
男4人だったし、量を食ったなぁ。
で、ビールも結構飲んでたしなぁ。

んで、そうこうしてる内に、もう
夜中の0時に近くなったので、駅に
電車の事を聞きに行く。往復で切符を
買っていたので、帰り分は何時まで
使えるのか?と聞きに行ったのだ。

んだらば、Ratingenまで帰る電車が
4時半までナイ!わ!ウッカリ。
んで、切符は0時までだと言われた。
多分、大抵3時までなんだけど、適当に
言われたような気がする。ドイツてのは
当たった人によって対応が違うってのが
もう当然であるからね。

んで、もう諦めて、じゃ、呑みましょう。
って事になりまして、サッカーの彼の家
の近所に行きまして、なんとゲーセンに!
サッカーの彼とNECの彼はゲーセン好き。

で、カートとフェラーリの車ゲームを
しました。僕はヘタっぴいなんだけど、
とても面白かった。フェラーリのが。

1回づつやった後、その隣の店で
ビールを呑み、お喋り。夜中3時か4時
くらいに僕はサッカーの彼の所に泊めて
もらい、彼の家でダウンタウンDXを観る。
何とも頭をポカーンってして笑える幸せ。

んで、6時頃寝て昼過ぎ、電話で起きます。
あ、昨日のNEC&フィンランド改め東京の
彼等とEssenにあるデザインミュージアム
に御一緒する事になったのでした。
彼等2人ともデザイナーなので。

んで、当初はシューマッハーがやってる
カートセンターがケルン近郊にあるらしく
そこに行くと言っていましたが、僕も
サッカーの彼もお金がナイと言い、Essen
に変わりました。結局サッカーの彼は用事で
行かない事になり、僕はNEC&東京の彼等
とEssenに向かいます。

そのミュージアムは元炭坑を使った施設で
世界文化遺産に登録されているらしい。
そこはデザイン以外に、コンサートや
映画、ワークショップなど多目的に利用
されているようだった。

デザインミュージアムに入るとNECの彼が
イイと言っていたのがよく判る。ココは
プロダクトデザインのミュージアムなんだな。
あ、ていうか、ドイツのグッドデザイン賞
みたいなモンって言うてたな。

んで、カッチョイイもんが一杯あります。
はぁ〜、こりゃ凄いな。日本人大好きだな。
と他人事のように言いますが、僕も好きでした。
ただ、僕はユルイ、カワイイ物のほうが好き
な傾向もあるので、ちょっとやり過ぎだろ
って思うデザインも少なからずありました。
カッコ付け過ぎて、ケバクなってるってのかね。

んで、一通り、駆け足で観た後、
この施設のパンフレットを買うというので
事務所に行くと、店閉まいをしたところで
レジはもう使えない、という。だけど、
僕達を事務所の中に迎え入れ、どうすんだ?
と思っていたら、結局、3冊、超オシャレな
パンフを貰っちゃいました。プレゼントだって!

あぁ、ドイツのアバウト加減が良い方に
働きました。こんな事、滅多にないです。
僕はこんな偶然の強運でも、先の政治力という
言葉を思い出さずにはいられませんでした。
こやつら(NEC&東京)ニコニコと穏やかな顔
をして、なんとも着実な仕事人たちなのか。

運を呼び込むという事を含めて、自分の
調子というか、アンテナ感度というか
とにかく、こう、こりゃぁ、普段から
やっとく事いっぱいです。あぁ、大変だ。

その後、Essenの街中でビールを飲みながら
昨日のマチェスみたいな魚の酢漬け、でも
一旦揚げてから酢漬けしたものを食う。旨い。
たっぷり2人ともお話し、僕は自分の最寄り駅
で下車、彼等はデュッセルドルフにラーメンを
食いに寄りつつ、ケルンへと戻って行きました。

その後、帰宅し、更にビールを飲み
フラフラになりながら、寝る。