「アラッシーと」

アラッシー。
そういうニックネームの友人がいる。
彼女には他の呼び名もあるが、なんとなく
僕は、この、アラッシー、が一番好きだ。

アラッシーとは、エジンバラ公演一団の
友人の事で、彼女はエジンバラの後、
ドイツの我が家にやって来た。

彼女は僕と似たような仕事も
しているが全く似ていない人だ。
彫刻というか、立体物を作ったり
する。しかし作風が全然違う。

一度、自分の作品について
彼女自身から聞いてみたいところだが
そんな真面目な話をする空気に
なった事はナイ。それでも今回、
我が家に来てる間に、少しだけ、
それらしい話もしたかな。と言っても
自作についての話では無かったけどね。

ま、彼女の活動には刺激されるし
参考になる所もある。ま、自分にそれが
できるかどうかは別なので、自分の
やり方を探すのみなのだが、とにかく
彼女には様々に僕にナイ能力がある。
それは、やっぱり羨ましく、かなり
盗みたい能力である。頑張って自分なりに
身に付けたいなぁ〜って事ですな。

8月12日
そんな、アラッシーとともにエジンバラ
から一緒に我が家に来て、レストランでの
夕食を楽しんだのち、寝て、その次の日、
かなーりノンビリした後、僕達はケルンに
出かけた。ケルンで、色々と土産を物色。
相棒とアラッシーは友人・家族のベビー達
に何か素敵な物はないか?と探して回る。

夕刻、もう一つの目的であった、とある
ライブに向かう。ケルン・ムルハイムと
いう、何ヶ月か前に爆発騒ぎのあった街。
そこの文化施設にて、以前、田舎街で
観たHarald Sack Zieglerと、あと、
Schlammpeitzigerという人などの
ライブがあり、観に行く。

ハラルド・ザック・ツィーグラーは
相変わらず。声でドラムのループを作り、
リズムのループに、さらに玩具の音などを
足し、それに合わせて、歌う。声も何度も
重ね、ハモったりしながら、曲を作る。
相変わらず可愛らしいオジさんだった。
歌詞も相変わらず侘びしい男感満載らしい。

んで、問題のシュランパイトツィガー。
この人もオッサン1人組なのだが、
このオッサン、映像に合わせて一曲づつ
やりたいようで、その為の映像も用意して、
やる気満々。だが、しかし、一曲ごとに、
映像のカウントを見せる始末で、んで、
映像のスイッチを入れる人に合図を
送ったりしてるわけだが、うっかり合図を
送り忘れた時なんかは、曲を止めてまで、
もう一回、頭からやり直す。

んで、そんな事をやってて、誰もノレる
わけもナイのに、このオヤジ、観客に
踊れとアオる。というか、ステージから
ボヤキのような、言い訳のような、説明の
ようなMCでもって、踊れと言う(笑)。
しかも、そのMCが1曲毎に入るのだから、
たまったもんじゃない。こんな段取り悪々
のライブで、誰が踊れるかっちゅうのっ!

とにかく、こんなグダグダなライブを
観た事はナイ。いや、あったとしても
忘れてしまいたいモンなので(笑)
忘れているのかもしれない。それくらい
凄いライブだった。悪い意味で(笑)。
とにかく、面白いオッサンだった。
ライブ終了後も意気揚々と自分のライブ
が、どんなモンだったのか、気付いてない。
初めてのライブじゃなかろうに。(笑)
最悪、客のノリに文句言ってるかもなぁ。

んで、最後の若手バンドは、夜も遅く
なり、電車の事もあったので、途中で帰る。
ま、例にもれず、1時間遅れで始まる
ドイツのライブが悪いのだが(笑)。

8月13日
んで、その翌日は、ノンビリしつつ
相棒の勤めるケーキ屋に三人でカフェ
しに行く。アラッシーの飲んだ、
アイリッシュカフェ?ラムかなんかの
入ったコーヒーが、とてもウマイ。
が、とても強い。イイ感じに酔う。

その後、近所のスーパーを
見に行き、そこでも土産を物色。
多分、夕食の買い物もして、夕食は
家でアラッシーと相棒で作ったのを
食べたような気がするが、忘れた。
グダグダ、ビール飲みながら
ソーセージでも食ってたのだろうか。

あっ!この日、本当は、ベルギーの
一番近い街に行こうって言ってたのに
面倒臭いからヤメとこう。って
なったんだった(笑)。じゃぁ、
デュッセルドルフに行こうか?いや、
もう、それも面倒だ。だったんだ(笑)。

8月14日
この日は、もうグダグダしてられん(笑)。
というのも、デュッセルドルフにある
ハイネマンというケーキ屋にアラッシー
は行かなくてはいけなかったからだ。

土曜日だし、早めに街に繰り出さないと
いかんなぁ、とか言いながら、この日も
まぁまぁユックリしつつ、路面電車で
デュッセルドルフに出ます。旧市街まで
行き、また土産を物色します。んで、
ハイネマンに行って、ケーキを喰らい
前も、この店の事書きましたけど、やっぱ
平均点が高い。いつ行ってもオイシイ
ってのは凄い事なんだろうな。と思った。
しかし、何度も言うが僕は相棒の勤める
ケーキ屋のほうが好きです(笑)。

んで、たっかい高い、ハイネマンの
お土産モノを物色し、その後、日本人街
に行き、古本を見たりして、何も買わず。

そういや、アラッシーがキャリーを
買いたいと言ってたのを思い出し、
それならば、ラティンゲンの我が家の
近所(と言っても徒歩20分)のスーパー
WAL MARTにあったハズ!土曜日だけど
WAL MARTは20時まで営業中だ。急げ。

という、僕の提案が通り、向かう。
んで、路面電車、バスをウマク使い、
できるだけ徒歩せずに、WAL MARTへ。

またまた土産&夕食の食材(というか
食べたいモンを)物色しまくります。
キャリー(カートって言うんかな?)も
何とか見つけました。しかし、少々デカク
少々高い。ま、仕方ない、と大量の食材と
その他モロモロと共に、購入を決めます。
が、なんとなーく、そのままキャリーだけ
はレジスルー。うむ、旅の恥は何とやら。
うわっ、三十路なのに。恐いもん知らず!

と、ま、そういう罪深い事も、タマには
ある。しょっちゅうでは困る。タマにだ。
WAL MARTでは、ヤーノッシュという
人だかの描いたキャラのベビー用の鞄で
超ステキなのを見つけアラッシーも相棒も
購入。これは、キチンとね。(笑)

んで、帰宅後、アラッシー料理長に腕を
振るって頂き、猛烈豪華で美味しい夕食。
我が家で、こんなに料理が並ぶ事はない。
食って、呑んで、ウハウハである。

8月15日
この日は、朝からフランクフルトに向かう。
毎度おなじみの週末乗り放題チケットだ。
フランクフルトに着くと、バスでユースに
行き、チェックイン。その後、居酒屋街
みたいのに行き、1軒=1品&ワンドリンク
でハシゴする事にする。まず最初に入った
店は可愛らしいリスの看板が目を引き、
なかなかの賑わいだったので、突入。

フランクフルトはリンゴワインが有名
らしく、店の中(といっても屋外席)で
ビールを呑んでいる人が、ほとんどいない。
僕達もリンゴワインを呑む。スッキリ。
で、料理はソコソコ。ココで可愛い出会い
があった。何人かの子供が、そこには
いたのだが、その内の2人が何やらメモに
絵を描いたり、字を書いたりしている。

そして、それを見ていたら、僕らに
そのメモ(勘定を付ける紙使用)をくれた。
カワイーッ!キンダー絵。んで、僕らは
それに答えるべく、字や絵を描いて、
渡し返した。ら、彼ら猛烈に喜んでくれた。
いちいち、キャーキャー言いながら、
親に見せに行く(笑)。面白くなって
ドンドン描いては渡しあい。まわりの
ドイツ人(主に老人)達も微笑んでいる。

しまいには、Yu-Gi-Oh! と書いた紙に
Japanisch(日本語)で書いてと言われる。
漫画アニメの遊戯王の事だね。んが、
遊戯の戯が、三人とも書けない!(笑)
なーんか適当に書き、誤魔化す(笑)。

Hast du Hunger?(お腹空いてる?)と
書いたら、親に見せながら大笑いし、
今は空いてない。と言いに来てくれた。
で、親にWie heiβen Sie?(お名前は?)
と書いて貰い、持って来たので、漢字と
アルファベットで、三人それぞれ名を書く。
Wir sind Japaner.(私達は日本人です)

その子供達との楽しい時間とお別れする
のは惜しいのですが、ずっとヤリ続ける
わけにもいきません(笑)。勘定を済まし、
彼らに別れを告げ、次の店へと移動します。

あ、ひとつ、その飲み屋街の中に
口から水を吐き出すオバサンの銅像があり
それが面白かった。面白いように引っ掛け
られて濡れる人もおりました。

あ、んで、次の店に行ったんじゃなく、
街中をグルグルと走るリンゴワイン専用
路面電車に乗ろうとしたんだった。んが、
そしたらば、さっきの店の前を通り過ぎて
行った路面電車が最終だった。残念無念。

んで、気を取り直し、次の店へ突入。
鹿肉キノコソースパスタとリンゴワイン。
リンゴワインは、さっきの店より酒感が
強い。さっきの店のは若いと言うか。
僕は、この店のほうが好みでした。
鹿肉キノコソースパスタも旨かったぁ。

んで、次の店は、何故かスペイン料理屋。
前菜みたいなサッパリしたもんと、
サングリアという、ワインに果物を入れた
飲み物を楽しむ。この飲み物、初めて
呑みましたが、旨いね。さっぱりスッキリ。
んで、追加注文したりなんかして、更に
呑み、この店でシメます。相棒は何故か、
エラク酔っぱらってしまい、面白かった。

今、横にいる相棒に、そん時の事を聞くと、
横で観てる人は楽しかったやろうなぁ、
イイなぁ、私も観たかったなぁ、ってか
私も楽しかったんやけどね、あの時(笑)。
でも、アラさんとか宮Cityが、あんな風に
オカシイ事してくれたら面白いのになぁ、
って思うわぁ。ズルイよなぁ。と後日談。

どんな、面白い事をしたかを言葉で
表すのは非常に難しいし、野暮なんだが、
白目向いて座頭市の物真似ヤバ風とか、
意味の判らん言葉とポーズの繰り返しとか。
猛烈に、イカレポンチを演じておりやした。
ま、対して普段と変わらないのだが(笑)。

んで、ユースに戻り、寝る。

8月16日
朝、支度をしていると、いち早く起きて
朝食に行っていたらしいクェート経由で
フランクフルトに来た同室の日本人男性
と話す。彼は今からフランスに向かい、
モンブラン登頂を目指す大阪人であった。

同じ国の人を同室にしたりするんすかね?
そういうとこがあるみたい。などと話し、
彼のコレまでの旅の事などを聞くと、
なんと、彼はフランクフルトじゃなく、
フランスに行くはずだった。らしい!
フランまでは同じ字だが、全く違う場所。
飛行機チケットを取る時、店で間違われた
らしい。そんな事があるのかっ!と思った
が、現実にあるのだ!なんて面白い話だ。

彼が飛行機チケットを取ったのは、タイ
らしく、彼はココまで来るまでタイに
いたらしい。思う所あって、フランスに
向かおうと思ったら、間違ってフランク
フルトに来てしまったのだった。凄い。
あー、面白い人だ。

んで、夜行列車などを使い、改めて
フランスを目指すと言う。笑ってはダメ
だが、本当に面白い。クドク言うけども。

んで、僕達は朝食の時間が終わっちゃうから
慌てて食べに行き、アラッシーを空港まで
送る為に出かける準備をする。と、そこに
モンブラン君がやって来て、さっき聞いた
リンゴワイン列車、一緒に行ってイイすか?
との事。昨日乗り損ねた話をして、僕と
相棒は後で戻って来て乗ろうかと思ってる。
と、さっき話していたのだ。んで約束をして
僕達はチェックアウト、荷物をユースに
預け、アラッシーを送る。

前に刺客(僕の友人達)を送る時に買った
1日切符とは違う、キチンと5人まで使える
切符を買う。

んで、アラッシー。確実に重量オーバーの
荷物をどうするのか?と思っていたら、
ココでも彼女の技を見せつけられる。

重さを計った、検査官の人が、一瞬、堅い
顔になったかと、思うと、仕方ないなぁ〜
という顔にスグに変わった。アラッシーが
ニコニコと、ねっ!、みたいにアッピール
していたようだ。さすがだ。彼女の手に
かかれば何でもOKになりそうだ。凄い。

やっぱ笑顔って重要。凄い力を発揮する。
僕と相棒は、普通の顔をしてたら、愛嬌とか
そういうのはナイ顔だし、目も小さいので
表情が伝わり難いし、無表情に見えるのかも
しれない。アラッシーは目は大きいし、顔で
伝える事を心得ているのだろう。見習うべきだ。
僕達も毎日、鏡で特訓だな。(ウソ)

んで、ま、問題なくチェックインした後、
時間もほどなく過ぎ、アラッシーは搭乗。
しばしの別れであります。

その後、僕と相棒は、空港内のカワイイ
ベビー用品屋(相棒が前に来たらしい)に
行き、物色すると、これが値段はそれなりに
するのだけど、とってもカワイイ物が一杯。
そこで、またベビー物を数点購入。
アラッシーも連れて来たら良かったのに、
と思ったが、時間が時間だったのだ。残念。

んで、僕らは、ちょっと慌てて、電車で
フランク中央駅に戻りバスに乗り、ユースで
待つ、モンブラン君の元に向かいます。
少し遅れはしたけども、思ったよりも早く
着き、ホッ。モンブラン君は昨日知合った
という日本人の九州男児と共に待ってくれて
いました。この九州男児は家政科の大学院生
で、高校?の非常勤講師もしているという。
もちろん、家庭科の教師。凄い!カッコイイ。

んで、みんなでリンゴワイン列車に向かうが、
なんと!土日祝しか走ってないんだってよ〜。
昨日の二の舞い。ま、仕方ない。昼間なので
店は、ほとんど閉まっていたが、開いてる店
を見つけて、そこでリンゴワインで談笑。

もちろん、モンブラン君の珍道中について
話は盛上がるわけだが、家政科九州男児に
モテルでしょ?学校で。という質問などを
し、いや、そんな生徒は、アレッっすから。
みたいな、会話を楽しみ。また、それぞれの
土地に行った際にはヨロシクメカドックと
いう事で、モチ、住所交換などをし、僕達の
持っていた1日券で、一緒に中央駅まで行き
モンブラン君はフランスまでの電車予約、
家政科九州男児は街をプラプラするという
ので、2人に1日券を渡し、必要ならば、
使ってねー。って事で、さようなら。

また、会える日を。是非また会いたいす。

んで、僕と相棒は家までの片道切符を買い
家にマッスグ帰り(と言っても5時間すが)
グースカピーだったような気がする。